2015年 10月 18日
【10月10日】 朝はホテルで朝食を済まし、8:50発のItaloに乗るために、余裕を持って駅へ向かった。 駅の北口にあるエスカレーターを降りると、そこはもうItaloのホーム。 チケットは、予約した時のページを印刷したもの、ただそれだけ。 チケット購入も、改札もなし。ある意味合理的なシステムですな。 昨日とは違い、スムーズに乗車してフィレンツェを目指しました。 ★フィレンツェ駅に到着のItalo ★フィレンツェの路地裏 ボローニャからフィレンツェまでの間に広がる田園風景なんかを期待したのだけれど、残念ながらこの間の区間は90%がトンネルで、ほとんど風景を見る事は出来なかった。 駅を降りると左に向かって歩けば、そのうちあの大聖堂、通称「ドゥオーモ」が、目に入って来るはず。 と言う事を期待しながら、こんな路地を歩いて大聖堂を目指す。 折しも、この日はあいにくの雨。それでも雨に濡れた石畳が光って見えて、綺麗です。 こう言う光景を見ると、なんだか当時が偲ばれますな。 今にも中世の人達が路地を曲がって現れそうです。 そんな事を感じながら、歩いていると案の定、目の前に現れたまぁるい頭の聖堂。 「これがあのドゥオーモなのか?」 と思わせる様な、意外な小ささ。 ★まぁるい頭の聖堂 でも、これは サン・ロレンツォ聖堂でした。 通称「ドゥオーモ」フィレンツェ大聖堂は、その大きさから、街中のどこからでも見えるのではないかと思っていたけれど、さすがにこのような路地に入れば、見上げても見えるものでは無い。 たぶん違うよな~、なんて思いながら、更に路地を進むと、ぽっかりと姿を現したのが、本物の大聖堂。 ★古都の街並みに浮かぶ大聖堂 同じくまぁるい頭でも、こちらは赤い頭が特徴ですな。 やっと見つけた安堵感に胸を撫で下ろしました。 これが見つかれば、あとはこっちの物。 古都の街並みの中に、堂々と立つ姿は、圧巻でした。 あまりの素晴らしさに、今まで経験した事の無い様な、不思議な興奮が湧いて来たものです。 ★古都に溶け込むようにたたずむ大聖堂 興奮しすぎて、気が付いたら、次の目的地、「ウフィツィ美術館」の予約時間が迫っていた。 記憶では、ジオットの鐘楼から、南に向かって歩けば数分で着くはず。 帰りにはまた、ここを通るので、しばしお別れして、美術館を目指す。 「ウフィツィ美術館」 建物自体の素晴らしさもさることながら、美術館前の「シショリアーニ広場」 ★広場内に立つ黄金の像 アルノ川にかかる「ベッキオ橋」、 ★美術館から見る「ドゥオーモ」 など、見所も多い場所。 そして、数多くの収蔵品の中で最も有名なのが、 ★ボッティチェリの「春(プリマヴェーラ」 ★ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」は誰もが見た事があるはず この他にも、ダ・ヴィンチの「受胎告知」やミケランジェロの彫像など、主に宗教画を中心に数多くの美術品が展示されていて、間近に見る事が出来るほか、フラッシュを焚かなければ、写真撮影もOKと言うのがすごいね。ロンドンの大英博物館では、古代遺跡品を触る事も出来たし、こうして歴史を身近に感じる事が出来る文化と言う事も、ヨーロッパの歴史に根差した考え方なのではないだろうか? キリスト教徒ではない僕にとっても、心が澄まされるような素晴らしい作品がたくさんありました。 ★聖ベルナルドゥスの幻視(フラ・バルトロメオ 1507年) 今から500年以上前の絵だけれど、人々の衣装の青、緑、赤が見事で、すごく美しかった。 ★キリスト受肉と聖人たち(ピエロ・ディ・コジモ 1500年代) まるで、天井からダウンライトでも当てているような神々しさ。 これを始めて目にした時の気持ちは、まさに、言葉に出来ないようなものでした。 こんなのを見ると、その絵の裏にあるキリストのストーリー、聖書を改めて研究と言うか、知りたくなりますな。 この他にも、本当に数多くの美術品があって、とても時間は足りなかったけれど、次の予定もあるので、泣く泣く、1時間半ほどで美術館を後にした。 駅に向かって路地を進み、途中腹がへったので、スナックバーの 「Cucciolo」 と言う店にふらりと入り、ハムとチーズのパイをビールで流し込む。 また、ふらりと歩いていると、 ★路地裏の壁に落書きを発見 フィレンツェでは、落書きまで、芸術的ですな。 そうこうしながら歩いていると、またしても迷子になってしまった。 でも大丈夫、路地をいくつか進むうちに、やっぱりこの光景に出くわしたよ。 ★路地の向こうに見える「ドゥオーモ」 何度見ても、ほっとする様な存在感ですな。 たくさんの感動を胸に、ボローニャへ戻る事に。 駅で列車を探すと、発車時間がすぐの列車はすでに「sold out」 40分くらい待ちの、次の列車(今度もItalo)のチケットを購入し、列車の発車を待つ。 たしか13:30頃発だったと思う列車に乗り込み、ボローニャへ戻る。 ボローニャ着14:00。それから、アシネッリの塔を目指す。 今から1000年も前に建てられ、高さおよそ100m、約500段の螺旋階段を上る。 あの有名な詩人の「ダンテ」も登ったとされる。 階段幅は人2人がやっとすれ違えるくらい。 上から降りてくる人たちを、先に促す事で休憩をとりながら、ところどころにある、明り取りの為の物か、小さな穴から吹き込む風が心地良い。 思ったよりもあっけなく、気が付いたら頂上にいた。 頂上からは、茶色に染められた、ボローニャの街並みや、はるかかなたアペニン山脈の山並みまで、見通す事が出来る。 ここから、次の目的地、サンルカを確認して、頂上を後にする。 ★アシネッリの塔の頂上から見る、ボローニャの街並み ★ボローニャの名物・柱廊 サンルカへの登り路 パディママさんからの情報で、アシネッリの塔から西へ少し歩いて、サンフランチェスコ教会前から20番のバスで、「San Luca」へ行けるとの事。 教会前のバス停に着くと、ちょうど20Aというバスが来た。 20A? と、少し不安を覚えつつ、ドライバーに 「サン・ルカに行く?」と聞くと、 「これは行かないんだ、あぁ~、でもいいよ、乗れよ。僕の後ろにいてっ」との事 しばらくバスを進めると、とあるバス停で停車し、 「ここで降りてっ」と、そして、 「次の交差点を左に曲がって少し歩けば、そこがサンルカの入り口だよ。」と。 「ありがとう、そんでいくら、払えばいいんだい?」と聞くと、、、、 「いいんだ、早く行けよっ!左だよ、左」 と言いながら、行ってしまった。 親切と言うか、あれで良いのかな~。と思いつつも、これも旅人の特権?と噛みしめつつ、交差点を左折し、入口を目指した。 確かに、少し歩いたけれど、ちゃんとサンルカの入り口に着いたのだから、あの運ちゃんに感謝せねば。 ★急坂を上る自転車レースの選手たち この柱廊は、ボローニャの町の特徴の一つ。 この日は、自転車の世界大会が開催されていて、たくさんの見物客と、世界中の選手たちが、心臓破りの坂に挑んでいた。 この大会は、この急な坂を周回するコースらしく、登っている最中に何度か廻って来た。 その度に、柱廊から顔を出して、きつそうな選手たちに拍手で声援を送ったよ。 昨日のアジと同じく、高みを目指して頑張ってる姿には感動しますな。 ★柱廊(ポルチコ)の外観 ★頂上にあるサンルカ教会の中 きつい想いをしながら登って来てたどり着いたところで、迎えてくれるこの厳かな雰囲気は、登って来た事の辛さはもちろん、人生の辛さなんかも忘れさせてくれるような、穏やかな気持ちにさせてくれる空気感がありました。 ★おろされたバス停から、ホテルまでのルート 気の良いバスの運ちゃんにおろされたバス停がMartini近辺。 そこからサンルカの入り口、サンルカ、降りて来て、そこからボローニャの中心部、先ほどのアシネッリの塔のあるところあたりまで、そしてホテルまで。 パディママさんの情報で、すべて柱廊で繋がった世界一の道があるとの事。 入り口からバスで帰る事も考えたけど、雨にもぬれず帰れるのだから、と思い、ひたすら柱廊を歩き続けた。 途中、いろんな犬達にも会って、いつかビアディにも会えるかな?なんて思いながら歩くのも楽しいもの。 結局ビアディには会えなかったけれど、薄暗くなるなった頃、中心部らしき場所に着いた。 ここでも少し迷ったけれど、ふらふらしてるうちに、ふと見上げるとそこにはあの、アシネッリの塔があったのだ。 こうして、長かった1日が終わろうとした夜。 ホテルのフロントに紹介してもらったレストランでイタリアンを堪能。 ★チキンスープのパスタ パルミジャーノ レッジャーノのせ。 肉の詰まった小さなパスタがチキンスープの中に入っていて、あっさりしてて、モッチリしたパスタが美味しかった。 かなり、強行スケジュールではあったけれど、何とか予定通りにこなす事が出来た。 歩いた距離はたぶん15㎞くらいになったんじゃないかな? 石畳の上を歩いたり、500段の階段を上ったり、急坂を上がったりと、結構大変だったので、こんな日はゆっくり湯船に浸かりたくなるのが、日本人の心と言うもの。 でも、それはかなわぬ夢と言う事で、この日も狭いシャワールームで汗を流して、翌日に備えました。 長文に御付き合いいただきありがとうございます。 次は番外編と、フランクフルト紀行を綴りたいと思います。 旅のアルバムをアップしました。 よろしければこちらもどうぞ。⇒ にほんブログ村
by 4engys
| 2015-10-18 20:50
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